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あわやの‘採血ミス’チクルが‘価値’~インシデント、ハインリッヒの法則、ヒヤリ・ハット~ (6)

私の通院は本来木曜日だが今週は主治医の都合で昨日だった。

悪いなりに症状は安定しているが、ワーファリンというややデリケートな薬を服用しているので、
定期的な血液検査が必要だ。

採血後、至急扱いで数値を出してもらいその数値をベースに医師の診療を受ける。

昨日も、先ずは受付をした後に採血に向かった。

午前中は患者が溢れていて、小一時間待つ事もあるが、午後は閑散としている。

受付で氏名を確認してから採血する現場へ行く。
昨日も2~3人しか居なかった。

そこで診察券(カード)をボックスに入れて、廊下で待つ。

採血をする人も繁忙時は5人くらい居るが、閑散時はひとりだ。
いつもと曜日が違うせいか、或いは単に新しく採用されたのかはわからないが
いままで見たことのない顔だった。

次は私の順番だと思ったが、別の男性が呼ばれた。
彼が終わって、いよいよ私の番だ。

採血係の女性は、診察券を見ながら私の生年月日を確認した。

それはいいのだが、採血用の試験管が一本しかない、色も微妙に違うような気がする。

‘あれ、今日は1本ですか。おかしいな、いままで一度も1本の時はありませんよ。
少ない時で2本、多いときで4,5本です。’


‘今日は1本ですね。

‘いや、今日は少ない日なのは知っていますが、
4年半通ってますが1本は過去に例がないですよ。’


‘消化器の○○さんですよね’

‘はぁ?私は循環器ですが・・・’

私の前に採血をした男性がまだブースに居残って、腕を押さえていた。

‘えっ、それ俺だよ’

取り違いである。

私は‘あ~ぁ、やっぱり’と採血係りに呟いた。

‘そもそもあなたは、わたしの順番を呼ぶ段階でおかしかった’

似たようなことは他の場面でもある。
まともなレストランではないが、ラーメン屋や居酒屋レベルだと、とろい動きをしている店員がいて、
どこかでオーダーを間違えていたりするのを目撃すると、
何のことはない自分のオーダーも間違われたり飛ばされたりする。

昨日も自分の呼ばれる順番が飛ばされたと思った時点である種の‘予感’はあったのだ。

しかし、事は‘医療現場’である。

私の‘身代わり採血’をされた男性は60歳で、
入院前の血液型チェックのための採血だったのだ。

良くも悪くも細かいA型体質の私が、怪訝に感じて‘未然’に事故を防いだが、
採血係の女性は‘トレイと試験管が摩り替わってしまって・・・’と言い訳したからさあ大変。

おまけに人間にありがちといえばそれまでだが、
そういう状況で‘笑ってごまかそうとした’のだ。

プチっと‘ナリポン回路’が発動した。

‘笑い事じゃないでしょうが・・・、もしこのまま採血が行われて、
彼の血液型が私の血で判定され、入院中に輸血とかの事態になったらどうですか。
そもそも、摩り替わってしまってという言い方は何ですか。
まるで知らない間に風でも吹いてとでもいいたげですね・・・違うでしょ、
単にあなたの錯誤ですよ・・・(以下略’


妻に言わせれば‘他人が間違えた時の責任の追及の仕方だけは超一流’
ナリポンの本領発揮だ。

可哀想に還暦お父さんは血液型判定用にもう1本採血されていた。

私は本来の2本の採血をされたが、彼女もビビッてしまったせいか、
或いは私に罵倒された仕返しのせいか(笑)、針の刺し方がイマイチで痛い。

別にそれ以上のアクションを起こそうとは思わなかったが、診察時担当医には伝えた。
彼は事情を聞いて謝罪もそこそこに‘ちゃんとインシデント扱いにしたかな~’と呟いた。

‘ほう、さすが先生は見識が高い。
どうかな~~、別の人が出てきてまあまあってやられたよ’


私の診察を終えたあと医師は、採血部門とリスク管理部門の人間に連絡した。

私はもう一度呼び戻された。

医師の説明によれば、採血部門は報告をするつもりだった(蕎麦屋の出前かも?)、
リスク管理部門の人が直接事情聴取したい、とのことだった。

本当は例の永田爆弾メールのテレビ中継があったから戻りたかったが‘喜んで・・・’と言った。
直ぐに担当者が現れたが、ポジションに相応しい如才なさを発揮していた。

インシデント(incident)は英単語としては勿論承知しているが、
調べてみるとリスクコントール上での定義がある。

重大事故に至る可能性がある事態が発生し、
なおかつ実際には事故につながらなかった潜在的事例のことをさす。

そして、実際事故に至った場合はアクシデントを使う。

そういう説明の時に出てくるのが‘ハインリッヒの法則’だ。
去年のJR西の事故の時やJALのトラブル多発の時にコメンテイターがしきりにつかったから、
知っている人も多いだろう。

1件の重大事故(死亡)があれば、その背後に29件の軽度の事故があり300件のインシデントが潜んでいる。これをハインリッヒの法則という。インシデントを減少させることにより、重大事故の発生を減らすことができるため注目されている


インシデントと近い意味で使われている言葉に‘ヒヤリ・ハット’というのがある。
私は初めて目にする語句だが、何しろ‘インシデント’‘アクシデント’‘ハインリッヒ’
の流れで出てくるから、一体何語かなと考えた。

‘ヒヤリ・ハット’とは安全用語で、何かをしようとしたときに‘ヒヤリ’とか‘ハッと’した
できごとのことで、事故には至らないものを言うそうだ。

‘なんだよ、日本語かよ、おまけにまんまじゃん、田原俊彦かよ・・・(-_-;)’

昔、ガキの頃教師にチクル奴は嫌われた。
ただ病院では、何かあったら躊躇無くチクルことがお互いのメリットになるのである。

妙に病院や医者を神聖化して、言いたい事も言えない時代ではない。
寧ろ彼等も積極的に‘大事故’につながる因子を発見し、排除したいと考えているのだ。

チクルが‘勝ち’というか‘価値’なのだ。


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Re:あわやの‘採血ミス’チクルが‘価値’~インシデント、ハインリッヒの法則、ヒヤリ・ハット~(02/18)

実は私、業界は全く違いますが“ヒヤリ、ハット”の収集に昔携わっていたことがあります。
“ヒヤリ、ハット”を起こしてしまった場合、その業界では匿名で申告する制度があります。
当事者を責めると情報が集まらなくなり、より大きなインシデント、アクシデントに繋がる可能性があるため、匿名&一切責められないというのが原則です。
その当時、医療界からも何回か勉強のため、質問を受けました。
医療界も少なからず浸透しつつあるように感じますが、ナリポンさんの場合は、ナリポンさんが指摘しなければ“ヒヤリ、ハット”とならず“インシデント”“アクシデント”になったかもしれないきわどい事例でしたね。
次回採決時、その病院が間違いを未然に防ぐ方法を実施された場合、“ヒヤリ、ハット”報告が活かされたと言えるのですが...。

Re:あわやの‘採血ミス’チクルが‘価値’~インシデント、ハインリッヒの法則、ヒヤリ・ハット~(02/18)

私が(家族も含めて)行く病院では採血の際いやになるぐらい試験管にかかれた名前と生年月日を確認させられます。なにせ以前に大きなミスをしでかしてるとこだから…。

>妙に病院や医者を神聖化して、言いたい事も言えない時代ではない。
寧ろ彼等も積極的に‘大事故’につながる因子を発見し、排除したいと考えているのだ

まったくその通り。
人間だから、ミスはありえるけどそのための確認作業は徹底しなければね~。患者側も心して受診しなければ…。
「チクルが価値」相変わらず、うまい落ちで…☆

Re[1]:あわやの‘採血ミス’チクルが‘価値’~インシデント、ハインリッヒの法則、ヒヤリ・ハット~(02/18)

KUROROさん
>実は私、業界は全く違いますが“ヒヤリ、ハット”の収集に昔携わっていたことがあります。

そうなんだ。
今日のネタにKUROROさんの書き込みは想像しませんでした。

>“ヒヤリ、ハット”を起こしてしまった場合、匿名で申告する制度があります。

そうみたいですね。

>ナリポンさんの場合は、ナリポンさんが指摘しなければ、きわどい事例でしたね。

そうですね、私のほうは医師の説明だと‘異常値’が出ても直ぐに処方を変えるというよりは、再検査でもしただろうと言っていました。
まあ積み重ねがありますから・・・
でももうひとりのおっさんは血液型ですからね。
シャレになりませんよ。

>次回採決時、その病院が間違いを未然に防ぐ方法を実施された場合、

リスク管理者も同様のことを言っていました。

Re[1]:あわやの‘採血ミス’チクルが‘価値’~インシデント、ハインリッヒの法則、ヒヤリ・ハット~(02/18)

はばたき☆さん
>試験管にかかれた名前と生年月日を確認させられます。

そうそう、今回も試験管と合わせれば問題なかったわけで・・・
それも患者に言わせなきゃダメみたいですね。
老人になると、別人の名前を言われても平気で‘はい’とやるらしい。


>人間だから、ミスはありえるけどそのための確認作業は徹底しなければね~。患者側も心して受診しなければ…。

まあ、わちきはこんな感じなんで、心しすぎる方ですが・・・(-_-;)

>「チクルが価値」相変わらず、うまい落ちで…☆

3時間考えた結果です・・・(^_^)

Re:あわやの‘採血ミス’チクルが‘価値’~インシデント、ハインリッヒの法則、ヒヤリ・ハット~(02/18)

医療安全に携わっている看護師です。あなたの指摘は、その患者様・そして採血を行った看護師(最悪であれば犯罪者となった)・病院を救ったことになると評価します。現在の医療安全は”患者参画型”を取り入れ、患者・ご家族にも医療事故防止に協力して貰っています。具体的には、患者様に自分の名前を名乗って貰う、患者様と一緒に薬を確認する等です。文面で妻に言わせると”他人が間違えたときの責任の追及の仕方は超一流”とありますが、今回はすべての方々を救ったと評価します。でも、こんなに正しい事をしても”他人が間違えたときの責任追及は超一流”との評価であれば、他人のエラーの対する指摘の方法を少し、配慮・考慮する必要があるのかも??  
 ゴメンナサイ!!

Re[1]:あわやの‘採血ミス’チクルが‘価値’~インシデント、ハインリッヒの法則、ヒヤリ・ハット~(02/18)

リスクちゃんさん
コメント有難う御座います。
こういう古い記事が読まれていると思うと感慨深いものがあります。
6年経った今も同じ病院に通っていますが、採血のみならず色々な面で改善されました。
安全性の確保は勿論効率性や公開性でも向上しました。
それでもやっぱり患者に名前と生年月日を言わせて確認することが基本になることに不変で、
それも以前と比べると遥かに徹底されています。
私が遭遇した1件もそういう流れの一助になったのではないでしょうか。

>他人が間違えたときの責任の追及の仕方は超一流

まあこれは妻が‘他人に厳しく自分には甘い’と私の体質を指摘したいだけで、
実際は自分のケツは自分で拭いているつもりです・・・(^_^.)
プロフィール

makola

Author:makola
ペンをパンにかえることを夢見た青年は、電話を手にした相場師に・・・
在る時、相場師20年のストレスで心筋梗塞を発症、死の淵をさ迷う。
以来穢土を離れ厭離庵に棲む。

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