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老夫婦が焼却炉で心中~壮絶にして完璧な自己完結の人生~ (14)

今日の記事も病気や死に関係する。

[焼却炉内に2遺体]1人は80歳男性 自殺の可能性 

福井県大野市七板の旧火葬場の焼却炉内で7日、白骨化した2人の焼死体が見つかった。県警大野署の調べで、歯の治療痕などから1人は近くに住む無職の男性(80)と断定。もう1人は行方不明になっている男性の妻(82)とみて身元の確認を急いでいるが、同署は状況から自殺とみている。

 調べでは、7日午後2時ごろ、近所の人が、火葬場横に、エンジンがかかったままでクラシック音楽が流れている無人の乗用車が止まっているのを不審に思い同署に通報。駆けつけた署員が焼死体を発見した。

 車は男性の所有で、車内にあったガソリンスタンドの給油伝票7枚の裏面には、親族への思いのほか、「午後8時ごろ、妻とともに家を出る。火葬場で1時間待つ。炭、たきぎの準備をする」などと書かれていた。また、男性の自宅からは日記帳も見つかり、11月7日の欄には「午前0時40分ごろ点火する」などの記述があった。

 さらに8日になって、男性から同市役所に郵送の手紙が届き、中には「遺産はすべて市に寄付します」などと書かれていたという。同署はこれらの状況から、7日ごろ、自ら火をつけて自殺を図った可能性が高いとみている。

 近所の人によると、男性は妻と2人暮らし。子どもはおらず、妻が数年前から糖尿病を患い足が不自由だが、男性が一人で介護を続けていた。旧火葬場は平屋のブロック造り。地区の共同墓地近くにあり、30年ほど前まで地区住民が使っていたが、現在は使われていないという。


色々な捉え方が出来る出来事だ。

自殺そのものの是非を語る人もいるだろう。
こういう老人が、こういう選択しかできなかった福祉、政治に問題があるとする人も居るだろう。
益々深刻化する‘老老介護’の限界を示す好事例だとすることも出来るかもしれない。

恐らく、冷静な分析としては子供もいない老夫婦が‘老老介護’の結果
共倒れになり死を選択した、で‘正解’かも知れない。

私にも、勿論‘正解’は解らない。
まあ、ずるい話だが、社会問題としても政治問題としても語らず、或いは道徳問題にもせず、
ひたすら、この二人が実際に死に至る情景だけを思い浮かべてみる。

周到に計画され、その計画通りに躊躇も無く実行されている。

燃料になる炭や薪を準備する。
準備を終えて、実際に点火するまで、ふたりはどんな会話をしたのだろうか。
内側からは閉められない焼却炉の扉を閉めるために縄を用意していたらしい。
点火は二人が載った、金属の隙間から容易にできたらしい。

熱さは病苦より苦しくなかったのだろうか。

具体的にどの曲かはわからないが、自分達へのレクイエムを流す演出も怠り無い。
しかし、生きたまま焼かれるふたりの魂を落ち着かせ、鎮めるのに十分だったかはわからない。

専門家が何故白骨化したか疑問だとしているが、とにかく二人は真っ白になった。

そして、その翌日、遺産は市に寄付する旨の手紙が届く。

私は、この男の壮絶にして完璧な自己完結の人生に、ある種のシンパシーを覚える。

勿論この実行が、男の独断的な美学ではなく、妻も納得していたという前提だが・・・。

もう、何年前の話か忘れたし、細かい事は記憶に無いが、
夫が既に死んでいるのにアルツハイマーの妻が何日間も食事を与えていたという事件があった。
発見された時にも、温かな食事が置かれていたという。

私の両親は‘幸い’4年前と1年前に他界している。
母に先立たれた父は、我が家が下野して面倒をみた。

我々夫婦の場合はどうか。
もう既に病気の私だが、もし‘億が一’80過ぎまで生き延びて、
同じような状況になったら妻はこう言うに違いない。

‘死んでも嫌よ、あんたとなんか・・・’

そうなのだ、先ずありえないことを考える前に、熟年離婚のことでも考えるべきだ(笑)




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うわぁぁぁん(つ△;)

FC2にてトラバ貼り有難うございました。

遺産を市に寄付…そうだったんですね…。
やはり他殺の可能性は低いかも…。
おじいちゃん…

ご冥福をお祈りします。

大事に

お父様の面倒をみた奥様も大変だったでしょうね。そんな方だから‘死んでも嫌よ、あんたとなんか・・・’なんておっしゃらないでしょう?
私は夫の方が年下だけど夫の最期は私が見ると決めてます。・・・結婚した時もボランティア精神でしたが夫が死ぬ時もこのボランティア精神を貫きますよ。こんな鬼?嫁を大事にしてくれてますからね。
・・・しかし、深刻なニュースから、笑いにもってかれてしまう。なりぽんさんヨ、恐るべし。

Re:老夫婦が焼却炉で心中~壮絶にして完璧な自己完結の人生~(11/09)

TBありがとうございました。

遺産を市に寄付されていたんですか。
本当に、周りに迷惑をかけないために、
最後の最後まで準備をしていたって事ですよね。

子供のいない自分たちが年老いたとき、
一体どうなっているだろうって思います。
やっぱり誰にも面倒かけたくないって思うだろうかって。

人が「選ぶ死」には色々な議論がありますが、
ここまで医療技術が発達してくると、
そこに「正解」がないように感じてきますね。

苦しいです

TBありがとうございました。

考えると苦しくなってくる事件でした。
生きたまま焼かれていく…その選択を自ら降すまでの葛藤は私には想像もつきません。
私がもし、もしそんな状況に置かれた時、絶対に出来ないだろうと思いました。
…熱かっただろうな、苦しかっただろうな。

天国に無事辿り着けますように。

悲しい気持ち

神はどうして
気持ちを造ったの

見送っても悲しさを残すし
見送られても悲しさを残す

まして一緒に逝っても
誰かに悲しさを残すのなら

人生は片思い…

泣けました

TBありがとうございました。
真相がわかってすっきりしたと同時に、自分があえてさらっと流してしまった2人の死について、改めて考えました。
なりぽんさんの思い描かれた情景に、さらに泣けてしまいました。

遺産の寄付にしても、選んだ死の方法にしても、もしかしたらそれ自体が、この後も生きていく人たちへのメッセージなのかもしれないと思います。
何を受け止めればいいか、また考えます。

Re:うわぁぁぁん(つ△;)(11/09)

日月神惟さん
>遺産を市に寄付…そうだったんですね…。

そうなんです、一応親戚はいたらしいのですが・・・

>やはり他殺の可能性は低いかも…。

それは絶対無いでしょう。
ただ、今後模倣犯が悪用する可能性はあるような気がします。

Re:大事に(11/09)

ごじらんらんさん
>お父様の面倒をみた奥様も大変だったでしょうね。

それは感謝していますが、オヤジは我々よりよほど扱いやすい人ですから。

>そんな方だから‘死んでも嫌よ、あんたとなんか・・・’なんておっしゃらないでしょう?

絶対言うというか、質問する気にもならない。

>こんな鬼?嫁を大事にしてくれてますからね。

鬼なんだ(-_-;)

>深刻なニュースから、笑いにもってかれてしまう。なりぽんさんヨ、恐るべし。

タイトルのダジャレと最後のオチは常に意識してますから・・・

Re[1]:老夫婦が焼却炉で心中~壮絶にして完璧な自己完結の人生~(11/09)

みもざさん
>本当に、周りに迷惑をかけないために、
>最後の最後まで準備をしていたって事ですよね。

その辺の意識の高さが、この男の美学だったのでしょう。

>子供のいない自分たちが年老いたとき、

子供がいればいたで、子供に殺される親たちもいるわけで・・・

>ここまで医療技術が発達してくると、

そうですね。
私のような病人は素直に更なる発展を願ってますが、
微妙な延命医療とかはどうなんでしょうかね。

Re:苦しいです(11/09)

チェルシィさん
>考えると苦しくなってくる事件でした。

ですので、私は考えずに感じるようにしました。
きちんと最後まで仕事をこなす夫を頼もしく感じながら、
幸せな旅立ちだったのでは・・・

>天国に無事辿り着けますように。

そうですね。
それを信じて、旅立ったわけですから・・・

Re:悲しい気持ち(11/09)

hiroponさん
>神はどうして
>気持ちを造ったの

人生の光と影というか、そういう両面があって生きていけるとも言えるわけで・・・
悲しみの無い人生は人生で、喜びの価値を失くしてしまうでしょう。


Re:泣けました(11/09)

SAIさん
>なりぽんさんの思い描かれた情景に、さらに泣けてしまいました。

我々は泣いてしまいますが、もしかしたらあの二人は幸せな人生の終え方をしたと
感じているのではないかと希望的に考えるようにしています。

>この後も生きていく人たちへのメッセージなのかもしれないと思います。

まあ、みんなで真似する人が出てきても困りますが、愛とか人生の決着のつけ方とか
根底に流れる精神は学ぶべきものもあると思います。

美学な気持ち

TBありがとうございます。

「勿論この実行が、男の独断的な美学ではなく、妻も納得していたという前提だが・・・。」

そうですよね・・・
老夫婦の人生も、今回のこの事件の真相も
深く知りえず、客観的にとらえ勝手な想像で・・・
老夫婦への過度な称賛だったか・・・と
今は少々、反省しております。
しかし”老年は敗北”的なこの国の・・・・
あぁ~又愚痴っぽくなるので(失笑)
失礼します。

Re:美学な気持ち(11/09)

素雲さん
>老夫婦への過度な称賛だったか・・・と

いやぁ、それでいいんじゃないでしょうか。
私も表現は抑え目にしましたが、行間にはにじませたつもりです。

>あぁ~又愚痴っぽくなるので(失笑)

国もそうだし、マスコミもそうだし、結果国民もそうだし
自民党の小僧を追っかけまわしてますからね。
プロフィール

makola

Author:makola
ペンをパンにかえることを夢見た青年は、電話を手にした相場師に・・・
在る時、相場師20年のストレスで心筋梗塞を発症、死の淵をさ迷う。
以来穢土を離れ厭離庵に棲む。

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