スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

タンカレー・マティーニ・オン・ザ・ロック~オールド・インペリアル・バーの思い出~ (12)

ナリポンは以前も書いたが健康だった頃の飲み歩きは、
基本はツーショットでカウンターを貫いていた。

最も、多かったのはバーだ。

バーで何を頼むかも、決まっていた。
マティーニである。

‘カクテルの王様’だの
‘カクテルは、マティーニに始まり、マティーニに終わる’
とか言われるが、これだけシンプルにして、その奥深さを感じさせるものもない。

値段的にもみても、メニューで一番安い。

それでいて、バーテンダーの‘力量’をみるには最適だ。

蕎麦屋で言えば、もりそば、スパゲティで言えば、
アリオ・エ・オリオ・ぺペロンチーノのようなものだ。

ナリポンはこの手のシンプル系が大好きだ。

マティーニと言えば、今はそれだけでドライ・マティーニを指すようだが、
昔は甘口のヴェルモットを使ったものもあった。

ジンとヴェルモットをステアするだけの極めて単純なレシピな割りに、
或いは、その単純さが故に、ヴァリエーションは多く、味わいも違う。

ジンとヴェルモットの割合にも嗜好が分かれる。

‘ドライであればドライであるほど通であるような風潮がある’

もうここに紹介するのも憚れるほど有名な話だが、イギリスの宰相チャーチルは
ヴェルモットのラベルを眺めながら、ジンをニートで飲んでいたとされる。

ヴェルモットを氷と一緒にステアした後、ヴェルモットは棄てる方法もある。

私は特にそこまでの拘りはないが、ジンはタンカレーと必ず指定する。
冷凍庫でキンキンに冷えた、緑のデブッチョボトルが好きだ。

飲み方は邪道かも知れないが、オン・ザ・ロックだ。

これは長い経験からそうなった。

所謂カクテルグラスでサーブされるのが普通だが、あれだと持っていて、どうもしっくりこない。

おまけに、飲むペースがどうしても速くなってしまい、身体にも懐にも優しくない。

オン・ザ・ロックにすることによって、本来はショート・カクテルなのにチビチビやれるのである。

マティーニに関してのいろいろな経験があるがそのうちのいくつかを・・・。

箱崎のロイヤルパークの1階ラウンジでのこと。

いつものように、

‘ドライ・マティーニをロックで、ジンはタンカレーでお願いします。’

知り合って間もない女性と一緒の時だった。

運ばれてきた、グラスを2,3回口にしたかしないか・・・
女性が慌てて飛んできた。

‘申し訳ございません。お客様にジンはタンカレーとご注文頂いたのですが、
当方の手違いで、ゴードンでお出ししてしまいました。
ただ今、直ぐお持ちいたしますので・・・。’


‘いやぁ、実は私も今味わいが違うなぁ、と思っていたところなんですよ。’
と切り返したものの、
心の中では、ゴードンを飲みながら、相手に

‘やっぱり、ジンはタンカレーに限るね’
なんて講釈をたれてなくてヨカッタとホッとしたりして(;・。・A アセアセ・・・

もうひとつはオリーブの話。
スペインに定期的に出張するようなになって、オリーブをつまみで食べる習慣がついた。

そこで、一時期、日本でもマティーニを頼む時‘オリーブ3つ’と言うようになった。

みなさん、スティックに色々な苦労をして刺してくれたが、どこでも割り増し料金は無かった。

或る日、芝の東京プリンスのバーに行ったときだった。
連れが数人いたのでテーブル席に座った。

‘タンカレーマティーニ・ロック、できればオリーブを3つ’

その注文だけで仲間には受けたが、実際運ばれてくると、グラスにはオリーブが1個。
但し、別の小皿にオリーブが5,6個載せられていた。
仲間はそれを見てさらに受けていたが、私はチョッと考えてしまった。

バーテンダーはあのホテルの建物そのものと同じような、ヴェテランの方だった。

‘これって、サービスなのか、それとも彼なりの拘り
(美意識みたいなもの)に基づいた抵抗なのか’


その時の私は後者だと解釈して、下品な‘オリーブ3個注文’は数ヶ月で止めた。

実際、輸入されたオリーブは現地で食べるそれと較べると明らかに不味い。

マティーニにはオリーブの他に、レモンピールで香り付けをすることもある。

ニューヨークに行ったとき、バーテンダーに
Would you like to be twisted?
みたいなことを訊かれて、初めは全く意味不明だったが、
レモンの皮を指につまんで捻るから、ああいう言い方になったのだろう。

確かに、squeeze(搾る)じゃ可笑しい。

アメリカ映画でもマティーニを飲むシーンはしょっちゅう目にするが、
グラスがまさにアメリカンサイズだ。

あと、自分の限られた経験から言うと、アメリカ人はジンのマティーニより、
ウォッカのマティーニを好むような気がする。

少なくとも、ただ単にマティーニと注文してもダメ。
ジンなのかウォッカなのか特定しないといけない。

私が、人生で最も好きで、恐らく最も多くのマティーニを飲んだバーは、
帝国ホテル内のオールド・インペリアル・バーだと思う。

作り手によって、微妙に出来が違うような気もしたが、
口にした時に、独特のピリッと舌がしびれる感じがあり、それが堪らなかった。

実際、バーテンダーの業界にあっても評判の高いレシピらしい。

機会があれば、また味わってみたいが、恐らくいまだに喫煙可で
紫煙がスポットライトを浴びて、ブラウン現象を起こしているのだろう。

マティーニ1杯を飲む体力はあるが、煙の中に5分もいれば確実に体調を崩してしまいそうだ。

以上、健康で飲み歩いていた頃を思い出しての記事でした。



スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

カクテル

 二人でカクテルを飲んでて「女の人がこのチェリーを食べたら、お誘いOKってサインなんですって」と聞いたことがあります。えーと、相手は女性ですが別に色っぽいシチュエーションではありません。キャラ的にいっても。(勝手に相手も巻き込んでケンソンするこたーないが)
 あたしは「ビリー・ワイルダーの映画で相手のいないシャリー・マクレーンが、チェリーの軸を並べているシーンは、そういう意味があったのか」と思いましたね。
 で、別のときにこの「チェリーを食べたらOK」という説を、「聞いたことがある?」と別の女性に聞いたら「始めて聞いたけど、ありえる話ね」と言ってました。彼女はそのときに出ていたチェリーを食べたんだけど、大勢いれごみの飲み会で、デザート杏仁豆腐についてたチェリーだから、これもぜんぜんムードのある場面ではなかったですね。
 

Re:カクテル(08/29)

逸爾散士さん
> 相手は女性ですが別に色っぽいシチュエーションではありません。キャラ的にいっても。

私のかつてのバー・ライフも連れは女性のほうが多かったですが、じぇんじぇんでした。

> あたしは「ビリー・ワイルダーの映画で相手のいないシャリー・マクレーンが、

えっ、それって‘アパ鍵’ですか。
もう1度機会があったらみてみよう。

>デザート杏仁豆腐についてたチェリーだから、

まだ残暑厳しき折、蕎麦屋に行って‘そうめん’‘ひやむぎ’狙いっていう手もありますよ(笑)

眠気を待てないマティーニ

そうそう。

ドライ・マティーニ。

僕は仕事で飲みに出た時の帰り際、チョットまだ余力がある時にマティーニで締めて帰ってました。

仕事での飲みってけっこうフラストレーションが溜まるでしょ。
終わってから帰るまでの間に、テンションを下げるってのか、フッと一息吐きたくなるんだな。

シティホテルのメインバーって、こういう時goodですね。
独りでフラッとカウンターに座ってもOKだし、マティーニ一杯だけ飲んで帰っても全然OKだものね。

そんな中でもイアンペリアル・バーは僕も良く行きました。
遅い時間にタクシーを拾うのも楽だから、締めには良かったね。

僕は健康なんだけど、歳のせいか最近は酔ってくると眠くなってきちゃう。
バーで女性と二人で飲んでいても、ウルトラマンみたいに眠気がピポピポするとシュワッチって帰っちゃう。

あははッ…。
色気ないね!

「Would you like to be twisted?」
はアメリカ人って大雑把だからレモンの香り付けをすんじゃ無くて、絞り汁を入れちゃう奴がいるんじゃないの?

きっと変わらないオールドインペ

タンカレー・マティーニ・・オリーブ3つ・・読んだ瞬間非常に懐かしく思いました。
私も独身・・いや~子どもが出きるまでは、オールドインペのカウンターが一番好きでした。
nariponと同じく今ではあの煙に耐えられそうもありませんが・・本当にいい所だったな~。
バーテンダー&マネージャーは勿論昔のメンバーは全然いないけど・・変わらないでいてほしい場所ですね。
また一杯だけ・・と、飲みに行きたいわ。

Re:眠気を待てないマティーニ(08/29)

hiroponさん
>僕はマティーニで締めて帰ってました。

本当は食前酒扱いなんだけどね、〆にもいいよね。
つーか、食前酒としてはちょっとキツスギの感じがする。


>独りでフラッとカウンターに座ってもOKだし、マティーニ一杯だけ飲んで帰っても全然OKだものね。

仰る通り、そこがホテル・バーの良さ。
そう考えると、実は高くないどころか安い。


>ウルトラマンみたいに眠気がピポピポするとシュワッチって帰っちゃう。

それは家にいる正太郎くんのリモコンのせいじゃない。
あぁ、それは鉄人28号だった。

>はアメリカ人って大雑把だからレモンの香り付けをすんじゃ無くて、絞り汁を入れちゃう奴がいるんじゃないの?

いや、実際その時、レモンピールをチュチュとやってくれたから・・・
じゃないと一生意味不明だったかも・・・

Re:きっと変わらないオールドインペ(08/29)

さるさんの奥さんさん

えらい、えらい!
ちゃんと我がブログをチェックしてくれてたんだ。
春先に思いっきり‘あなたが主役’の記事を書いたのに無反応だったから、
読んでくれてないと思っていたよ。

>タンカレー・マティーニ・・オリーブ3つ・・読んだ瞬間非常に懐かしく思いました。

ねぇ、やってたよね。
今は無きあのTもいたし・・・

>私も独身・・いや~子どもが出きるまでは、オールドインペのカウンターが一番好きでした。
昼下がりのGGシッティングの過去もあるしね。
それから後は‘人妻と飲めても母親とは飲めない’だもんね。

>今ではあの煙に耐えられそうもありませんが・・本当にいい所だったな~。

昼はまだ何とかOKかも・・・
そう言えば、東京を離れる前のお別れランチのあと最後に飲んだのもあそこだ。

>バーテンダー&マネージャーは勿論昔のメンバーは全然いないけど・・

ひとりぐらいいないかな。
で、俺の顔をみて、‘いつもとおなじでいいですか’なんて言われたら
しびれるね。

>また一杯だけ・・と、飲みに行きたいわ。

是非、この世にいる間にご一緒したい。

それにしても、ニックネームの決め方をみると、‘いい結婚だったねぇ’と思う。


ご訪問ありがとうございます。

はじめまして。トラックバックありがとうございます。カクテルって奥が深いっていうか、面白いですよね?それぞれいろんな逸話があったり、飲み方も千差万別で、自由というか。僕もホントはダンディに飲みたいっていう気持ちはあるんですけど、ついついワイワイやってしまったりするんですよね。。でもまぁ、それも楽しくていっかぁとかって自分で納得してます(笑)。また他のカクテルのお話も掲載してくださいね。

Re:ご訪問ありがとうございます。(08/29)

くぃっくぃさん
>はじめまして。

はじめまして・・・

>それぞれいろんな逸話があったり、

くぃっくぃさん書いてた、マティーニがきつ過ぎて、
‘マティーニに始まってマティーニで終った’話もかなり面白い(笑)

>僕もホントはダンディに飲みたいっていう気持ちはあるんですけど、

私は見た目が、まったくダンディの対極にあるので・・・
飲み方くらいはなんとかと思って・・・頑張ってました。

>また他のカクテルのお話も掲載してくださいね。

いやぁ、本当にマティーニしか飲まなかったので・・・
でも、バーについてはまだ書きたい事はいっぱいあります。

Re:タンカレー・マティーニ・オン・ザ・ロック~オールド・インペリアル・バーの思い出~(08/29)

Nariponさん、お久しぶりで~す。
あのね、実は私、遥か昔、帝国ホテルのメインバーで働いてたことあるんすよ~。学生時代のアルバイトですけど...案外、お会いしてたかもしれませんね。すんげぇ意外でしょ?(^^;;

Re[1]:タンカレー・マティーニ・オン・ザ・ロック~オールド・インペリアル・バーの思い出~(08/29)

たる坊さん
>Nariponさん、お久しぶりで~す。

てめぇ、久しぶり過ぎるぞ!
もっと来てね!

>帝国ホテルのメインバーで働いてたことあるんすよ~。学生時代のアルバイトですけど..

オールド・インペは基本は男だったと思うけど。

あの1階のロビー横の、ピアノのあるバーじゃないかな。
あっちには‘可愛くて若い子’が一杯居たよ。

そうそう、1回、例のオリーブ3個を注文した時、女の子が持ってきて
‘お待たせしました、こちらタンカレー・マティーニ、オリーブ・・・あっ!失礼いたしました。
ただいま直ぐにお持ちします。’

みるとオリーブが1個しかなくて、優しいナリポンが
‘別にいいですよ、それで’という遣り取りがあったけど、
たる坊、覚えてないよね(笑)

Re[2]:タンカレー・マティーニ・オン・ザ・ロック~オールド・インペリアル・バーの思い出~(08/29)

Nariponさん
>てめぇ、久しぶり過ぎるぞ!

でへへ^^; 読んではいるんだじょー

>オールド・インペは基本は男だったと思うけど。

いやいや、女性も居たんですぜ。80年代っすけどね。ピアノなんかなかったよん。バーテンさんの名前を今思い出そうと頑張ったんだけど...駄目じゃ...
どっか田舎の人(←なんじゃそれ!)、なんせ訛りがあったのよー。とってもいい人でした。
んでね、友人がシャロンストーンの映画だかなんだかを見てから、「オリーブ3つ」って言うようになったとか言ってたけど、知ってる?←きっとNariponさんのことだから、これ知ってたら、意地でも「オリーブ3つ」なんて、一生言わなくなっちゃうと思うんだけどね...えへっ。いやさ、なんつうの、メジャーになったとたんに、イヤになるってのあるもんね。

Re[3]:タンカレー・マティーニ・オン・ザ・ロック~オールド・インペリアル・バーの思い出~(08/29)

たる坊さん
>でへへ^^; 読んではいるんだじょー

じゃあ、いちおう許す!

>ピアノなんかなかったよん。

じゃあ、オールド・インペだ。
他は全部ピアノがある。

>んでね、友人がシャロンストーンの映画だかなんだかを見てから、「オリーブ3つ」って言うようになったとか言ってたけど、知ってる?

知らないよ~ん。
つーか、俺がやっていたのは89年だから、その映画は俺の技をパクッたんじゃねぇーの。
映画名が分かると、製作年が分かって、場合によっては訴訟だな(  ̄っ ̄)ムゥ

プロフィール

makola

Author:makola
ペンをパンにかえることを夢見た青年は、電話を手にした相場師に・・・
在る時、相場師20年のストレスで心筋梗塞を発症、死の淵をさ迷う。
以来穢土を離れ厭離庵に棲む。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。